トヨタの伝統あるオフロードブランド「ランドクルーザー」シリーズの中でも、個性的でファンの多いモデルが「FJクルーザー」。
独特のレトロモダンなデザインと高い走破性で人気を博しましたが、惜しまれつつも2018年に国内販売を終了。
しかし、ここ最近「FJが復活するのでは?」という噂が再び注目を集めていましたが、ついに「ランドクルーザーFJ」として復活することがトヨタから正式発表されました。
この記事では、現時点で判明しているランドクルーザーFJの情報を徹底解説します。
かつてのFJクルーザーとは?その魅力と特徴
まずランドクルーザーFJの前身FJクルーザーについておさらいしましょう。
FJクルーザーは、2006年に北米市場で登場したSUVで、ランドクルーザー40系のデザインをオマージュしたレトロな外観が特徴。
国内では2010年から販売が開始され、「本格派オフローダー×個性派デザイン」として高い人気を誇りました。
- 丸目ヘッドライトとホワイトルーフのツートンデザイン
- 高い最低地上高と4WDシステムによる優れた走破性
- シンプルで丈夫な内装構造(防水素材など)
- 4.0L V6エンジン(1GR-FE)による力強いトルク
これらの要素が「冒険を愛する大人のクルマ」として多くのユーザーを魅了しました。
なぜ販売終了したのか?
FJクルーザーはその独特の個性ゆえに熱烈なファンを持っていましたが、一方で実用性や燃費性能が課題とされていました。
国内では環境規制や市場ニーズの変化(燃費重視・コンパクト化)により、2018年をもって販売終了となりました。
しかし、世界的なSUVブームと「レトロSUV人気」の再燃により、再び注目が集まっています。
ランドクルーザーFJとして復活
2023年のランドクルーザー250が発表されたワールドプレミア以降、複数のメディアが「FJの後継モデルが開発中」と報じていました。
そして、ついに2025年10月21日、「ランドクルーザーFJ」としての復活販売される事がトヨタから正式に発表されました。
このたび発表されたランドクルーザーFJは、FJクルーザーもしかり、ランクル40のオマージュとしての色が強いとも言われています。
トヨタは2023年の「ランドクルーザー250」発表時に、シリーズ拡充を示唆しておりましが、このたびFJの復活が実現されました。
ランドクルーザーFJ(スペック一覧)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 全長 | 4,575mm |
| 全幅 | 1,855mm |
| 全高 | 1,960mm |
| ホイールベース | 2,580mm |
| 乗車定員 | 2列シート・5人乗り |
| プラットフォーム | IMVシリーズのプラットフォーム(ラダーフレーム)採用 |
| エンジン | 2TR-FE型 2.7リッター ガソリンエンジン |
| 最大出力 | 120kW |
| 最大トルク | 246N・m |
| トランスミッション | 6 Super ECT(電子制御6速AT) |
| 駆動方式 | パートタイム4WD |
| デザイン | 初代FJクルーザーを彷彿とさせるスクエアボディに背面タイヤデザイン 角目、丸目の2種類のヘッドライトを採用 |
| 価格帯(予想) | 約350〜450万円前後 |
発売されれば、ジムニーノマドやブロンコスポーツ、ディフェンダー90といったモデルと競合する可能性があります。
ランドクルーザーFJの特徴
今回発表された情報からランドクルーザーFJの特徴を解説していきます。
程良いボディーサイズ
ランドクルーザーFJのボディーサイズは、上記のスペック表で記載した通り、全長4,575㎜、全幅1,855㎜、全高1,960㎜となっています。
全長、全幅から見ればRAV4に近いサイズ感となり、日本の交通事情には適したサイズ感となるでしょう。
また、ホイールベースが2,580㎜、最小半径5.5mとなっており、狭い道路や林道でも運転しやすい仕様となっています。
それに比べ、全高はランドクルーザーシリーズ中でも一番高く設定されています。
他のランドクルーザーシリーズに比べショートボディーになっている分、車内の縦空間を有効に使えるように設定されているのかも知れません。
ランドクルーザー伝統のラダーフレーム採用
ランクルといば、ラダーフレームでしょう。
ラダーフレームじゃなければ、ランクルとは名乗れない、ランクルは昔からそのような伝統が受け継がれてきました。
近年モノコックボディのSUV車が増えている中、ラダーフレームで発売されたのは、ランクルファンであれば安心された方も多いと思います。
ただ、今回のランクルFJは、ランクル300、250のGA-Fフレームとは別のIMVのラダーフレームが採用されました。
300や250に比べ、車の格としては落ちる事が想像されるものの、信頼性耐久性はお墨付きでランクルとしてふさわしいラダーフレームが採用された事は喜ばしいニュースでしょう。
2TR-FE 2.7ガソリンエンジンにパートタイム4WD
ランドクルーザーFJでも250同様、信頼性の高い2TR-FE2.7のガソリンエンジンが採用されています。
TRエンジンは2003年にSUVや商用車向けに開発され、現在の2025年に至るまで改良を積み重ねてきた実績のあるガソリンエンジンです。
信頼性、耐久性の求められるランドクルーザーに相応しいエンジンといえるでしょう。
しかし、エンジン自体の設計は古く、現在の新しいエンジンに比べると、パワーや燃費の面では満足出来ないユーザーも多くなるかもしれません。
それゆえに、噂される1GDディーゼルエンジンの早期搭載が望まれます。
ただ、ディーゼルエンジンと比べ、ガソリンエンジンにはメリットも多いです。
- 付帯する部品が少なく、故障リスク減
- 軽量で軽快な運転が可能
- NAエンジンのためオイル交換の頻度が伸ばせる
- リセール率が高い
- 購入金額が安い
このことから、走行距離が少ない方やリセールを意識する方にはガソリンエンジンがおすすめといえます。
逆に、長距離走行が多い方やオフロード走行などでパワーがトルクが欲しい方は、ディーゼルエンジン搭載を待つのが良いかもしれません。
トランスミッションは、6ATのパートタイム4WD (リアデフロック)が採用されています。
この組み合わせは、ヘビーデューティーの70シリーズと同じ組み合わせとなります。
本格的なオフロード向けの仕様となり、悪路走破性は70に等しいレベルに仕上がっています。
パートタイム4WDは、走行状況によってH2、H4、L4を自身で判断して使う必要があります。
また、パートタイム4WD は、通常のオンロード走行時はH2、2WDでの走行となり、少なからず燃費の向上も見込まれるでしょう。
2種類のヘッドライトを用意
先日発表されたプロトタイプの車両では、角目、丸目の2タイプのヘッドライトの車両が発表されています。
C型デイライトの先進的なデザインが特徴の角目ライト、〇型デイライトがレトロな雰囲気でおしゃれな丸目ライトがあり、好みの分かれるデザインとなりそうです。
丸目ライト装着の車両はカスタム車両となっていたため、おそらく丸目ライトはオプション設定される、もしくは限定モデルとして販売されると思われます。
なぜなら、兄貴分の250では、丸目ライトは限定モデルのファーストエディション、またはスタンダードのVXグレードのみにオプション設定(約20万)とされており、同じような扱いになる可能性が高いでしょう。
どちらにせよ好みで2タイプのヘッドライトが選べる事は、ユーザーにとっては喜ばしい事ではないでしょうか。
電動パーキングブレーキはなし
プロトタイプを拝見した所、サイドブレーキは手動で手引きのサイドブレーキとなっています。
ということは、電動パーキングブレーキ、ブレーキホールドの装備がありません。
実際、慣れてしまうと、かなり便利に感じるブレーキホールド。
その機能がつかない事をデメリットと感じる方も多いでしょう。
ですが、ランクル好きの中にはオフロードを走る上ではマニュアルが良いという声も多数あります。
あなたはどちらが好みですか?
リアシートアレンジ
プロトタイプでは、リアシートのシートアレンジがスライドあり、跳ね上げはなしとなっています。
人が乗るにも、荷物を載せるにもスライド機能はかなり重宝しそうですが、跳ね上げ機能がないので、フラットな荷室を作るのが難しく、車中泊を考えているユーザーは頭を悩ますかもしれません。
そのあたりはアフターパーツに期待したいところです。
背面タイヤ横開きのリアドア
ランドクルーザーFJでは、背面タイヤと横開きのリアドアが採用されています。
横開きのリアドアは、開けるのにスペースが必要であったり、雨の場合は不便となり、使い勝手で言えば上開きが使いやすいでしょう。
しかし、オフロード走行を考えた場合、背面タイヤは大きなメリットとなります。
それに、カスタムベースとしては使いやすさもあるでしょう。
また、なにより背面タイヤがFJクルーザーやランクル40を彷彿させるデザインでかっこいいと思う所ではないでしょうか。
ランドクルーザーFJへの期待と懸念
新型のランドクルーザーFJは、ランドクルーザーシリーズの中で“若年層・アクティブ層向け”という新しい立ち位置を築く可能性があります。
レトロデザインと最新テクノロジーを融合させたモデルとして、ファンの間では以下のような期待が寄せられています。
- 「手軽に乗れるランドクルーザー」
- 「FJらしい個性的なデザインの継承」
- 「購入しやすいランドクルーザー」
しかし、懸念されているのは、購入しやすい販売価格や高リセールが間違いない事から、人気車種となり購入が困難になると予想されていることです。
これまでのランドクルーザーシリーズ同様、発売当初は注文が殺到する事が予想されます。
どうしても欲しい方は、早めにディーラーや営業マンに購入意思を伝えておく必要があるでしょう。
ランドクルーザーFJの販売時期
今回のランドクルーザーFJの発表では、販売時期もアナウンスされています。
日本での販売時期は2026年年央(夏頃)とされています。
発売日の3か月前には正式な発売日の情報が出てくると思われます。
もう少し期待して待ちましょう。
まとめ
ランドクルーザーFJは、単なるSUVではなく「遊び心」と「冒険心」を体現したモデルです。
このたび、ランドクルーザーFJとして新たに発売が決まった事は私たちユーザーには嬉しいニュースです。
再び日本のオフロードシーンやランドクルーザーシリーズを熱く盛り上げることは間違いないでしょう。
手軽に乗れるランドクルーザーとして、トヨタには需要を上回るような生産販売を期待したいところです。
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